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Sword of A's Act.7 vol.1


 それは一人の英雄の話だ。

 その人物が何を望んでいたか、何を欲していたのかは誰も知らなかった。

 また、何かを欲している事を誰かに打ち明けるような事も無かった。

 ただ『英雄』ともてはやされるだけの、使い勝手の良い捨て駒。口の悪い者達の中にはそう言う者もいたらしい。


 きっかけは、突然の災害。

 目の前で消えていく人々。先ほどまで笑顔に包まれて、争いとは無関係に生を謳歌していた者達に訪れた突然の悲報。彼にはそれは耐え難い苦痛だったらしい。

 助けてくれと、声高に叫ぶ人々を前に、彼はただ、必死な思いでそれに立ち向かって行っただけだった。

 一人でも多くの者を救う。その掌から零れ落ちる者がいないように。それを理想に、自分の目の前で泣いている人の顔を見たくないと願った。それは貴い願い。

 だが「人」として出来る事は限られている。彼自身も「人」である限りそれは例外では無い。


 どうしても零れ落ちてしまう命。

 助けようとする努力を嘲笑うかのような絶望。

 手を血に染めて、傷だらけになって、どうする事もできない自分に苛立って、涙を流しながらそれでも前に進もうとして、でも限界は近くて……。

 

 だから、彼は祈った。そして願った。

 

――――契約しよう。我が死後を預ける。その報酬を、ここに貰い受けたい――――

 

 そして彼は「力」を手に入れた。

 自分(ひと)の手では届かないから、英雄(きせき)を欲した。それは、彼自身がしてきた行いから言えば、当然の行為であり、必然でもあった。

 ただ、その力でも救えた者はそう多くない。彼の望みは、彼がその力を欲した時には、決して果たされる事は無かったのだ。

 だが、彼は諦めない。

 次にこの力を使う時、その時は自分の理想を叶える時だと、そう思った。

 救えた命、そこに宿る笑顔が、今度は確実に増える。そしてその力で今度こそ自分の理想を実現できるのだという高揚感で包まれてすらいた。


 だが、その夢が叶えられた事は一度も無い。


 ある時は欺かれ、

 ある時は嫌悪され、

 またある時は疎まれ、追いやられた。


 そうして彼は結局、永遠と言う枷にはめられ、自分の意思とは無関係に、奴隷のように働かされる。「英雄」を欲する直前、どこかでそうなると分かっていても、その気高き理想のために、彼は笑って、そして自ら進んで「その場所」に立ったのだ。

 

――――体は剣で出来ている。


 そこは墓標に見えた。

 朱色に染まる空。赤茶けた剥き出しの土には、無数の剣が刺さっている。


――――血潮は鉄で 心は硝子。


 そこには全てがあり、そして何も無い。

 人の思いも、自分の思いも、全てを表現するのがこの小さな世界しかなく、そして守る事の出来る世界の大きさである事も、彼は弁(わきま)えていた。

 

――――幾たびの戦場を越えて不敗。

 

 どんなに裏切られても傷ついても、それらを全て振り切って、ただただ、走り続けた。

 それこそ一度も道を違える事無く。その奇跡を、彼は誇って良かったのかもしれない。

 

――――ただの一度も敗走はなく、ただの一度も理解されない。

 

 でも結局、彼は救うべき者に「自分」を入れる事が出来なかった。

 自分自身を救えず、人だけを救うなどと言っても、それは必ずどこかで破綻する。

 

――――彼の者は常に独り 剣の丘で勝利に酔う。

 

 故に彼は悪意に絆(ほだ)される。

 自分が信じた物、自分が信じる物に、いつまでもいつまでも翻弄されてしまう。

 それが本当は辛い事だと……悲しい事だと分からなかった事が、そもそもの不幸だったのかもしれない。

 

――――故に、生涯に意味はなく。

 

 だがきっと、それでも彼には――――――。

 

――――その体は、きっと剣で――――

 


12月4日 AM:6:00 八神家 はやて部屋

 


「また……夢」

 午前6時。

 朝日が顔を出す頃合に目覚めたはやては、寝ているときに出来たのだろう、涙の後を拭いていた。

 悲しい夢を見た。

 とても……とても、悲しくて、切なくて、貴い夢だ。

 それは、一人の青年が見続けた夢。普通、夢という物は叶えればその人間は幸せになれるものだ。

 だが、青年はそうではなかった。

 それは純粋で綺麗な物なのに、結局は最後に彼はその夢に裏切られてしまう。彼は幸せになるべきなのに、その届かない物を追うあまり、決して救われる事は無い。

(なんやろ、最近どこかで似たような夢、見た気ぃするけど……予知夢? まさかなぁ)

 そういって目を擦り、涙の後が晴れた事を確認しながら、ゆっくりとベッド横にある車椅子に向け擦り寄っていく。傍らで幸せそうに眠る赤い少女……ヴィータを起こさないように注意しながら。

 自分は幸せだ。

 彼女達……自分達を「騎士」と呼ぶ四人が家に来て、人との触れ合いを知って、笑顔の浮かべ方を憶えて、そしていつまでも続いて欲しいと願う平穏を手に入れた。

 だから、夢の中の青年がどれ程の不幸であるのかは自分が言える事ではないが……少なくとも、青年がたった一人になってまで努力して、それでも報われない様には、悲しみと同時に言いようの無い腹立たしさを感じた。

 自身を物のように扱われながら、他人の幸せのためにそれでも構わないと走り続けた彼の生き様は尊敬に値する。だが、他人を幸せにしようと努力したのならば、それ相応に自分自身も幸せにならなければ嘘だ。

 そこまで考えて……夢の内容に熱くなっている自分を感じ、奇妙な事だと首を傾げた。

 実際に体験したような妙にリアルな内容とは言え、それは夢に過ぎない筈だ。

 それはドラマや映画に過度に感情移入する様に似ている……そう、それが「実際に起きた事」ででもあるかのように。


 それを自覚した瞬間、

 ぞくんと、

 心臓を鷲掴みにされたような感覚が、全身を駆け巡った。

 (っ――――!)

 それは、今までに感じたことが無いほどの激しい感覚だった。

 今もこの身を蝕む足の麻痺等とは違う……それは感情の波だ。

 一瞬、様々な感情が流れ込んだように感じる。

 嫉妬、姦計、欺瞞、自己愛―――――――そして、

 

 

 ――――殺意。

 

 

「やめ……く……」

 自分の意思とは無関係に流れ込んでくる情報。それを意志の力で無理やりに遠ざけようと苦悶する。

 それは地獄のような苦しみだった。

 色々な人が受けたような苦しみ、悲しみを自分が無理やり追体験させられているような、受け続けていれば間違いなく発狂しかねない程の苦痛。

 胸を押さえて荒い呼吸を繰り返し……その苦痛から解放される時を待つ。それしか、今の自分には出来なかった。

 しばし、激しい情動が嵐のように吹き荒れ……漸(ようや)く過ぎたと感じたときに、大きく一つ息を付いていた。

 まるで長い間息を止めていたかのように呼吸が乱れている事を感じながら、今の時間を確認する。

 6時5分を少し過ぎたところか。たった5分間で、まるで激しい全身運動の後のように汗をかき、思考も霞がかった様にはっきりとしない。

 何が起こったのだろう。あの激しすぎる感情の波は尋常な事ではなかった。

 ふと視線を外せば、そこに映るのは机の上に置かれた魔道書『闇の書』

 守護騎士達を呼び出した本体にして、自分がマスターとなった『ロストロギア』と呼ばれる、今では失われてしまった大古の文明の遺産。

 変わらずにあるそれを眺めて……だがしかし、なんら答えを得られることは無い。

(今の……一体)

 しばし惚けたようにその場に座り込んでいたはやての耳に、その声は飛び込んできた。

「ぅ……うん……はやて」

 はっとした顔を下へと向ける。

 そこには、赤い少女の姿……自分を健気にも「守る」と言った騎士の姿があった。

 暫く様子を見るが、はやて自身声を殺していたために、幸いにして気づかれることはなかったようだ。

 その姿を見て、はやては改めて思う。

(そうや……私は闇の書の主や。こんな事で皆に心配かけたらあかん)

 いつぞや、すずかにも冗談交じりで語った事だが、今の平穏な生活が壊れてしまう事を一番恐れているのは、はやて自身なのだ。だからこそ、みんなの前では気丈に笑顔を向け続ける事を、彼女は自身に義務付けていると言っても良い。

 まだまだ、親にも甘えたい年頃であることを考えれば、そう考えられるだけでもかなり精神的に早熟であると言えるが、翻せば、それは彼女が今の生活を失う事を恐れているが故に、心配事を打ち明けられないでいる事と同意である。

 無論そんなことが長く続くとも考えていないものの、それでも彼女は一分、一秒でも長く今の生活が続けられる事を願っていた。

 ゆっくりと二、三度深呼吸を繰り返す。なかなか治まらない動悸を半ば無理やりに抑え、落ち着いたところで、ゆっくりと顔を上げた。そこには、先ほどの苦しげに喘ぐ少女の姿は無い。

 自分自身では、うまく笑えていたかは分からなかったが、早くしなければ、シャマル達が起きてくるかもしれない。その前にいつもと変わらない顔を向けなければ、また彼女たちに心配をかけかねない。

 そう、半ば強迫観念に近い想いで自分を取り戻し、改めて車椅子に向けて這い出した。

 

 そして、彼女が再び目を向けることがあれば気づいたかもしれない。

 丁度、はやてが自分を取り戻したその瞬間、闇の書が一瞬だけ動いた。その事実に。

 そして、黒く輝く光……まるで「泥」のような、おぞましい光が一瞬だけ見えた事に。

 

 

 傷ついた腹部から血が流れないように注意しながら、心もとない足取りで歩き続ける。

 人目を忍びながら結界の消えた街中を過ぎ、郊外の山岳沿いの殆ど車の通らない道路を行く。人目が少ない場所というだけで歩いて来たが、いつの間にか自分も知らない場所へ彷徨い出てしまったらしい。ぼんやりとした明かりの街灯が、等間隔に並んでいる以外には何も無い場所な為少々不気味だが、今の自分の状態から贅沢を言う余裕は無かった。

 騎士が去った後、自分はすぐに行動を起こした。結界が消滅した事で何者かが自分を襲撃するリスクを少しでも下げる為に、あちらの世界で駆使した技能全てを使って、自分がいた痕跡を消す事に、最大限の注意を払った。

 騎士が言っていた管理局……言葉の響きから恐らくこの世界に存在する魔術組織、またはそれに準ずる管理組織に助けを求める事も考えなかった訳ではない。

 だが、その組織に対する情報を持っていない以上、自分の基準ではそれが敵となるのか、味方となるのか判別は付かず、さらに自分と組織の相性の悪さからも言って、最悪の場合拘束か、もしくは自分の能力に興味を持たれ実験動物(モルモット)にされるかのどちらかだと感じ、すぐにその選択肢は抹消された。

(それに……)

 今にも倒れそうな体を引きずりながら、先ほどの戦闘を思い出していた。

 騎士の攻撃を受けビルに叩き付けられた少女。

 一見すれば騎士に匹敵する力で戦っていたように見えるが、あの年であれだけの戦闘を行うなど、自分のいた世界では考えられない事である。才能は元より、血が滲むような努力が無ければそこに到達するのは不可能であろう。

 彼女は騎士の言っていた「管理局」とやらに所属しているのかは分からないが、もしもそんな子供に危険な橋を渡らせるような組織であれば、ますます信用は置けないし、そうで無かったとしても平気でそんな事をする組織はロクでもない事は確かである。

 いつかその自分の考えを甘い、と断ぜられた事もあるが、こればかりはどうしようもない。子供、しかも女の子に命のやり取りをさせるという考えが、自分にはどうにも我慢できないのだ。

(――――っと)

 考えに没頭しているうちに、前から明かりが近付いてきた事に気付く。その明かりからよけるように隣のガードレールを超え素早く身を隠す。

 真っ暗な森の中に飛び込むのは少々勇気が必要だったが、人気の無い山道で血だらけの自分の姿を見た運転手がどうなるかなど考えたくも無い。幸いに、身を隠すだけのスペースがあったことに、心の中だけで安堵を浮かべる。

 カサカサと風が鳴り、自分が立てた物音を消してくれる。その中で息を潜めて、これからの事を考えていた。

 とりあえず最優先は体力の回復。傷自体は魔力が回復すればどうにでもなるが、こんななりで公共施設など頼れる訳も無いし、まずはどこか、人気が無く落ち着ける場所で、ぐっすりと眠りたかった。

(桜台の方へ行くのが賢明なんだろうが……ここまで来ると、どっちに行けば着くのか判らないよな……)

 そんな風に、一瞬とはいえ気を抜いたのがいけなかったのか。

 ぐらりと、足元が唐突に消滅する感覚と共に、目の前の闇が濃密になる奇妙な感触を受けた。

(!)

 一瞬何が起こったのかわからず、目を見開く。車はちょうど目の前を通り過ぎ、後部ライトの明かりを見せながら遠ざかって行く所だった。だがそれは、この場で気付いてくれる者がいなくなった証拠でもあった。

(しま――――)

 それ以上考えることも出来ず、まるで奈落の底に落ちて行くかのような感覚が襲い、慌てて足元を確認する、そこには、光を呑み込む真っ暗な空間が広がっており、底知れぬ闇の気配に息を呑む。

 思わず落下を避けようと手を伸ばした先……。

(なっ、ちょ……嘘だろ?)

 伸ばせば届く場所に確かにあったはずの感覚。それが無い事に、今度は上を向いた。

 そこにある物も闇。先ほど存在したはずの街頭の灯りどころか、風に枝を揺らしていた木々の姿すらない。

 そんなはずが無い。

 崖から落ちたにしても、そんなほんの一瞬足元に目をそらした程度でそこまでの距離を落ちる筈が無い。

(まさか、罠か? 誰かが俺に対して幻術を使って、今までの光景を見せていたとか……)

 何たる油断か。そこまでして自分を嵌(は)める事に成功した相手に驚愕を禁じ得ない。

 相手は何者かは分からないが、自分をどこかから監視していたのだろうか?

 一瞬にして、様々な考えが浮かぶが、全て後の祭りである。

「う、うわぁぁぁ!」

 思えば、どこかから落ちるというのは、今日これで三回目だ。そこに何か因果的なものを感じながら、まるで、ブラックホールに吸い込まれるように、衛宮士郎の体が先の見えない深淵へと落ちていく。

 自分の叫んだ声のエコーが聞こえた瞬間――。

 

 頬を生暖かい感触が伝った事で、驚愕のままに、はっとした表情で目を開けた。

 

 ぼやけた視界。その目の端に飛び込んできた光景は、どこかの部屋の天井と、自分の顔の目の前に存在する黒い物体。

(え……猫?)

 やがて焦点を結んだ視覚に、黒い猫の姿を認め、呆然とその顔を見つめた。

 猫の方は、自分が急に起きた事に驚くでもなく、じっと顔を覗き込んでいた。状況を確認しようと僅かに身を起こそうとした事で、漸(ようや)くその姿がベッドから離れる。

(えっと、ここって……)

 部屋の中を確かめてみる。そこには、ベッドの他は簡素な箪笥と椅子と机のみが存在する、寂しい感じのする部屋であった。

 だが壁の内装や備え付けの扉やベッドはかなり豪勢で、まるで遠坂凛の実家である冬木の洋館のような佇まいである。それが妙に気になった。

 自分は何故こんな所にいるのだろうか?

 そんな風に暫く辺りを見回す視界の端に、先ほどの黒猫の姿を見つけ、そちらへ視線を移す。微かに開いた入り口に向け音も無く歩いていくその姿、それを見て何となく安堵を感じてしまうのは、愛玩動物特有の愛らしさからだろう。

 自分を見つめる視線に気付いたのか、扉から出る直前で、猫は一度だけくるりとこちらを向く。

 猫、というよりも、動物全般について明るくない自分なので詳しい品種を知っているわけではないが、何と無くその手の好事家が見たら欲しがるかも知れないと考えていた。

 まるで墨を流したような黒に、首の部分には愛らしい二つのボンボンを付け、さらに特徴的な大きなリボンという姿は、アイルランドの伝説に由来するケット・シーのように人間臭く、その瞳には神秘さと高貴さが共存しているように感じた。

 猫はしばし自分を眺め……数秒の後、開いていた扉からするっと外へ出て行ってしまった。

 そこで一人になってしまったことを感じ、ため息を付きながら、自分の体の状態を確認する。ここ数日、似たようなことばかりを繰り返している事に気づいた時は、流石に苦笑したくなったが。

 体、胸部や手首、頭などに丁寧に巻かれた包帯が痛々しく見えるが、傷の方はそうでも無いらしく軽く各部を動かしてみて、苦痛も無く動かせている事に安堵する。

 ここに運び込んだ誰かの治療技術が良かったのか、それとも騎士が本当に手加減してくれたおかげなのかは分からないが、特に支障がありそうな場所は存在していなかった。

 そのまま、下に視線を向けた際、下半身に下着しかないことに気付き、思わず渋面になる。

(まあ、緊急時だし仕方なかった……と言うべきなんだろうか……)

 取りあえず下半身が問題なく動くことを確かめるべく、ベッドに腰掛ける状態で立ち上がろうとした……その瞬間。
 
「あれ……? 開いてる?」

 がちゃり、と。

 半開きだった扉が押し開けられて、一人の少女が入ってきた。

『え?』


 呆然とした声が唱和する。

 背格好は、なのはやすずかよりも頭ひとつ高い程度で、薄い紫の髪に、メイド服、手には水に浸したタオルと水の湛えられた桶を両手に持っていることから、ここで働くメイドの少女が、自分の様子を見に来たのだろうが……何と言うか、タイミングが悪すぎるとしか言いようが無い。

 しばし呆然とした時間が流れる、数十秒か、数分か、やがて、双方の状態を理解した少女の頬が朱に染まり、傍から見て可哀想なほどに慌てた様子で何かを喋ろうと口を開く。

「あ……あわ、え、ええええと、その……」

「あー、その、な、何と言うか――――な」

 正直、何度か逆のパターン……セイバーやライダーがいる状態で風呂場に特攻してしまった事がある身としては、こういう気まずい状況になってしまった時の対処法なりをいい加減憶えておいても良い物なのだろうが、どうにも肝心なときに、自分の脳というものは上手く働かないようだ。

「ご、ごめんなさい!」

 やがて、一歩、二歩と後退した少女がくるりと後ろを振り返り、猛ダッシュで立ち去ろうとした瞬間、よほど慌てていたのか足を絡めて盛大に倒れこんでしまった。

「あうっ!」

「ちょ、大丈夫か!?」

 慌てて自分の今の格好も蚊帳の外に倒れこんだ少女の元へ飛び出そうとした――――その瞬間。

 思えばもっと注意をしておくべきだった。彼女が手に何を持っていたのかという事、そしてそれが、綺麗に放物線を描いて自分の頭へと……それこそ何かのコントかと思うほどのタイミングで飛んできた事を。

 ばしゃんと音を立て、盛大にぶちまけられた水を頭からかぶり、その冷たさに思わず声を上げる。

「つ、冷たぁぁぁ!」

「あわわー! すいませんすいませんすいませーん!」

 慌てて立ち上がりながらぺこぺこと頭を下げる少女を見ながら、どこに行ってもこんな状況ばかりを生み出す自分自身の「呪い」とも言うべき体質に、改めて憂いを浮かべる。

 そして、これから始まるであろう騒動の収束に、頭痛が起きたかのように頭を抱える事になったのは言うまでも無い。

 

 

 だんだんと鮮明になっていく記憶の中、崖から落ちたあの後は、夢のような状況でなかったことを思い出した。

 障害物が少なかったこと、斜面がそれほど傾斜していなかったこと、落下地点に草木が密集していたことなどが重なり「幸運」にも外傷が殆ど無くてすんだのだった。ただ、転がり落ちてきたときに鋭い刃先の岩礁が突出ており、その際に胸に結構な傷を負ってしまったのが、一番酷い怪我だろうか。

 その後、遥か上に位置する街路灯の灯りまで登って行くにはあまりに遠く、取り合えず、森の中を当てもなく彷徨う事になった。

 どこか手近に休める場所があればよいのだろうが、木々が邪魔で先がよく見通せない。取り合えず街の方角へ当たりを付けて歩くことにした。

 獣道すらない人の手の全く入らぬ原生林のような木々の中、暫く歩き回ったが……流石に体の方が限界だったようだ。

「…………っ」

 がくりと、唐突に膝が折れる。

 そのまま、ゆっくりと前のめりに倒れていった。

 何とか起き上がろうとあがくが、驚くほど体に力が入らず、辛うじて手が動くだけで、それ以上の行動を起こすことが出来ない。

(限界……か)

 ゆっくりと視界が暗くなっていく。傷の手当てや、このまま意識を失えばどうなるか等、そういった考えが頭をよぎり、唯一自由な右手を伸ばす。

 そこに握り締められた宝石、もはや意識を保つことすら難しい中、何とか動こうとして、しかしやはり、何も出来ずにただそれを握り締めた。

 ふと、思い出したのは異世界に置き去りにしてきてしまった人々の姿だった。

 心配そうに自分の事を送り出してくれた家族たち。時計塔で学び、絆を深め合った仲間と呼べる存在。今更ながら、自分の無鉄砲さによく付き合ってくれたものだと感心しないではいられない人々である。

「みんな……心配、かけてるかな……ごめん……本当に」

 その言葉と共に意識が完全に闇に落ちた。

 暗い空。

 虫の音も、獣の息遣いすらない森の中で、一人、誰かに助けられることすら考えられずに――――。

 

 

「……それが、あなたがここへ来た経緯ですね」

「はい」

 広い居間に響いた声に同意の頷きを返す。 

 あの後、一通りの騒ぎが収束した後、自分の目が覚めたことを知ったこの家の当主が会いたいとの事で、別の部屋へと移される事となったのは、先ほどの騒動から、約三十分ほどしてからだった。(騒動の収束がいかに大変だったのかはここでは割愛させていただく)

 自分が運び込まれてからの経緯を聞いたところ、自分は3日ほど眠り続けていたそうだ。ここ――――月村家は、女性しかいないため、着替えや治療などは知り合いの医師を通じて行っていたらしい。その後は、二人のメイドが交代で看病していた……との事だった。まあ、看病と言っても何が出来るわけではなく、額の汗を拭い、自分の意識が戻るかどうかを確認する程度だったらしい。そんな状態ならば、いきなり半裸の男性が起き上がってる状況にパニックを起こす事も致し方ない……のかもしれない。

 取り合えず代えの着替えということで、何故かあった男物のジーパンに黒のタートルネックを着込み(聞くところによると当主の恋人の物らしいが……)サイズの違いに少々閉口しながらも、改めて視線を動かした。

 今この場にいる人間は、自分を含めて四人。

 先ほどのメイドの少女と、彼女によく似た年上の女性……恐らくこの屋敷のメイド長と思しき人物、そしてその二人に挟まれる形で、丁度その二人の中間ほどの年齢の女性が落ち着いた物腰で座っている。

 青い髪に、白のロングスリーブのシャツ、タイトスカートというラフな格好に、アクセントとして付けたネックレスが映える……どこにでもいそうな普通の少女にしか見えない月村家当主・月村忍は、自分の状況説明が一息ついたと思ったのか、彼女との間を挟む形で出されたテーブル、その上にある紅茶のカップを持ち、音も立てずに口に含んだ。

 その仕草だけで、ああ、やっぱり彼女も良家のお嬢様なんだな……と妙な感慨に浸る自分は、どこまで行っても庶民感覚が抜ける事は無いのだろう。

 さり気なく、そばに立つ二人のメイドの姿を改めて確認してみる。先ほどのメイド長らしき人物は、静かに瞳を閉じ、無表情に佇んでいる。その出で立ちも様になっており、何となく雪のように白い少女にいつも付き従っていた二人のメイドの姿を彷彿とさせた。

 そしてもう一人……タイミング悪く鉢合わせてしまった妹と思われる方は、俯いたまま顔を上げる事は無い。先ほど、その視線が一瞬だけちらり、とこちらに向けられたのだが、自分と視線が合うと慌ててその視線を元のように下げてしまったのだ。それを見ながら、何となく気まずいものを自分も感じてしまう。

(……嫌われたかな?)

 それも致し方ないだろうと、一人納得している傍ら、やがて、こつ……とカップとソーサーが重なる音を聞き、慌てて、そちらへ視線を向けた。

「衛宮士郎さん、でしたね。事情は大体分かりました……それで衛宮さんは、どちらからいらしたのですか?」

 一瞬、質問の意味が分からず、ぽかんとしてしまう。

「どちらから、って……えっと?」

「衛宮士郎、と言う名から日本人と言う事は分かります。見た所、17、18歳程度に見えますが、貴方は元々海鳴に住んでいたのですか? それとも、何か用事があってこの街に?」

 答え難い質問が来た事に、士郎は悩む。

 正直に冬木と言う街からやってきた、と言うのは容易い。しかし、後で冬木について調べられた時の言い訳が立たないし、彼女達の言い分から自分の事を何かしら怪しんでいるニュアンスは感じ取れる。

 下手な答えはこの話し合いでの溝を更に深くしてしまうのでは無いだろうかという危機感から、一瞬、躊躇(ためら)うが……しかし、だからと言って質問に黙ってしまえば、疑われる要素は強くなるだけだとも感じる。暫く(と言ってもほんの数秒)悩んだ後、少々事実をぼかして説明する事にした。

 冬木のという場所から来たこと、その目的と足を踏み外してしまう直前の経緯まで、嘘半分、事実半分の割合で……何だか数日前にも似たような状況があった事を思い出すが、それを気にしている場合では無い。

「なるほど。家族も頼る身内も無く、帰るべき家も無い状況で、放浪するかのように旅をしていた、と」

「はい。時代錯誤とか言われてしまえばそれまでなんですけど……まあ、ホームレスと代わりが無いので、警察に頼るわけにも行かなくて……ここ二ヶ月ほど、日本の色んな所を旅してるんです」

 そう言いきって、誤魔化すかのようにテーブルに出されていた紅茶に手を付けた。見ればいつの間にか、二人のメイドがじっとこちらの様子を伺っていたことに気付き視線を移す。相変わらずの表情を映さない無表情と、わずかな困惑と照れを混ぜた視線を感じ、この様な嘘で本当にばれないのだろうかと心の中だけで一人はらはらする。

 士郎の話を吟味するかのように、無言で目を瞑った忍が、何かを考えるかのように経過した時間は、せいぜい二~三分程か。

「……良いでしょう」

 やがて、上げられた声に振り返る。そこにはどこか晴れ晴れとした――――そして、どこか懐かしさを表情に浮かべるかのような、忍の顔があった。

「私としては、衛宮さんがまだ隠し事をしているような気がしないでもないのですが……その話を信用します」

 その言葉に微かに驚きの表情を浮かべるメイドたち二人とは対照的に、こちらは安堵の息を付く。取り合えず、誤魔化す事は出来たのかもしれない。まあ、疑いが晴れたわけでは無いだろうが、これ以上突っ込まれてもどう対応して良いか分からなかったので、当面の安心は出来る状態になった、という所だろうか。

 やがて、何か言いたそうなメイドたちの雰囲気を察しながらも、あえてそれに触れず、再び紅茶のカップを手に取り優雅に口に含みながら……忍が口を開く。

「それで、衛宮さんはこれからどうするつもりですか?」

「へ……? あの、どうって?」

 意外なことを聞いたようにきょとんとする自分を差し置き、忍はさらに語る。

「これからも、今のような放浪生活を続けるのですか? という意味です。聞けば、日本は元より、一時期いらっしゃったというイギリスのご友人とも、今は連絡が付かない状態との事でしたが?」

「……そうですね。不本意ですけど、暫く……取りあえず住み込みできるバイトが見つかるまではそのつもりなんですけど」

「……ふむ」

 未だ状況が見えない士郎を差し置いて、傍らに立つ……恐らく姉と思われるメイドの方へ何事か耳打ちをする忍。

 暫く聞いていたノエルが一瞬驚いたような表情を浮かべるが……やがて元の無表情になって二、三度頷くと、今度は妹と思われるメイドの方へと何事かを囁くように告げる。

 自分を差し置いたやり取りに、不安が心の中で頭をもたげるのを感じながら……やがて、忍は自分に向けてにっこりと……どこと無く悪戯っぽい表情でその提案をしたのだった。今にして思えば、この展開を彼女はどこかで読んでいたのかもしれない。

「もし衛宮さんがご迷惑でなければ、なんですが……」

 そう前置きをして、忍は語りだした。

 


「あのような提案をして……よろしかったのですか?」

 取り合えず「仕事」の準備をするべくファリンと士郎が共に退室した居間で変わらずに紅茶を飲む忍に、ノエルは問う。そんなノエルに、苦笑しながら、忍は口を開いた。

「まあ、本来ならノエルのような反応が普通なんでしょうね。私も、普段ならこんな提案しないだろうし」

 やがて、飲み終えたカップをソーサーに置いた忍が続ける。

「ただ、衛宮さん……彼がどういう人か見極めるには、この方法ぐらいしか思い付かなかったのよ。確かに彼は真実を言っているとは思えないし、この月村の家を襲うための演技の可能性もあるしね」

 それはノエルも感じていた。

 その境遇はともかく、素人目に見ても、あの腹部の傷が崖から山の斜面を転がり落ちて出来たようにはどうにも思えなかった。そもそも、何をもってすればあそこまで深く広い範囲での傷を付けるというのだろうか?

 あれほどの怪我は、それなりの業物……それこそ高町恭也が使うような「小太刀」か、それ以上のものでなければ、付ける事は難しいだろう。そう結論付ける程度には、彼女たちも非日常と言う物に慣れていたのだ。

 それだけに、その事を指摘しなかった忍に、ノエルは疑問を憶えたのだが……そんなノエルを知ってか知らずか……忍は続ける。

「だけど、彼が言った事、確かに怪しくて、整合性が取れてない部分もあるけど、それが全て嘘とも思えないのよね。だから、彼が何者なのかを見極めるために、暫く様子を見ようと思ったのよ」

「……ですが危険ではないですか? いつ襲ってくるか分からない人間を置いておくなど……それこそ、先ほどの話が全て演技である可能性もありますし」

 そんな風に苦言を呈するノエルに、忍は更に苦笑する。

「その辺はまあ、ノエルにお任せかな」

「私に……ですか?」

 意外な言葉にノエルがきょとんとした表情を向けた事を面白がるように、忍は語る。

「うん。ノエルが教育係って事で、立ち会ってくれれば怪しい行動をしたらすぐに分かるし、取り押さえる事も可能でしょう?」

「確かに、私がいれば即座に対応もできますが……しかしそれで危険が減るわけでは――――」

「うん。だから、彼が何者か……少なくとも月村に敵意のある者かどうか見極められるまでは、なるべくそばに……できれば監視できる位置にいて欲しいのよ。ノエルが駄目な時は私でも良いし、前言ったみたいに恭也に協力してもらう事も考えてるし」

「それは――」

 確かに、一見すればそれは合理的である。それでも消えない不安を抱くノエルに、忍はどこか懐かしむような表情で……何かを思い出すように語った。

「それに、何となく衛宮さんは月村を襲うような人物じゃないような気がするんだ」

 そのような事を言い始めた忍に、ノエルは暫し、驚きの表情を浮かべる。当の本人は実に楽しそうにそんなノエルの反応を見ている。

「なぜ、そう思われるのですか?」

「うーん、何となくなんだけど、彼、昔の恭也に似てる気がしてね」

「恭也様にですか?」

 言われて、彼の姿を思い浮かべると……なるほど、確かに似ている部分もある。特に姿が似ているとか、そういう訳ではないが、持っている雰囲気が、どこと無く重なるのだ。

 だがそれだけでは彼を信頼する理由に足り得ないような気がする。それは単に「似ているから大丈夫」のような直感めいたものに近い。その事を指摘すると、忍は割とあっさりとそうである事を認めた。

「うん、確かにそうだね。この事に明確な根拠なんか無いよ。何となく彼は大丈夫なんじゃないかなって思うだけだし」

「は……あ」

 歯切れ悪く答えるノエルを前に、忍は一人、楽天的な笑顔を向ける。

「本当、ノエルは心配性ね。大丈夫、何とかなるから」

 そこまで言われてしまっては、ノエルとしても認めざるを得ない。それに、虎穴に入らずんば虎子を得ず、では無いが、多少の危険を冒してでもその意図を確かめるというのも悪い事ではないのだ。彼をすぐに解放したことで、襲撃者にいたずらに情報を与えてしまうのも得策では無いし、それならば彼が知っている情報を少しでも引き出す事ができた方が有意義と言うものだ。

 そう考えて、ノエルは一人、ため息を付きながら、忍に向き直った。

「分かりました。そこまでおっしゃるなら、私は衛宮さんの様子を見させていてだきますね」

「ありがとう。まあ、衛宮さんも執事の経験はあるって言ってたけど……日本人なのに随分と特殊な出で立ちよね。取り合えず軽い仕事から割り振ってくれるかな? 病み上がりでもあるし、あまり無理はさせないって意味でもそれが良いと思うから」

「分かりました。では、そのように」

 忍もノエルも、その時は重要なのは士郎の行動であり、彼が「執事として働く」事は二の次……厳しい言い方をすれば、期待はしていなかったとさえ言えた。

 この認識を改めさせられ、更に少々意図していた所とは別の方向に話が進展する事に、二人はこの時点では全く気付いていなかった。

 

 事実は小説より奇なり。

 この言葉を身をもって実証する日が来た事を、苦笑と共に受け入れた。

 あの後、仕事の内容や、簡単な自己紹介(と言っても自分と忍の名前は既に紹介されていたので、二人のメイドの紹介が主な内容だった)を経て、今は姉妹メイドの妹、ファリン・K・エーリヒカイトの付き添いで、使用する制服……執事服の採寸と仕立てのために別の部屋に向かっている途中だった。

(まさか……現実的じゃあないって思ってた執事として働く事になるとはな……何事も経験しておく物なんだろうか?)

 世の中には、親の借金を押し付けられたり、父親の暴力から逃れた末に、などという現代的な理由から、主を守るために拳銃片手に奮闘するというどこのボディーガードかと思う執事もいると聞くが……いざ、そんな状況に自分が立つとなると、途端に現実感が無くなってくる。

「あ、あの……先ほどはすみませんでした」

「?」

 そんな風に沈思黙考しているそばから急に声をかけられた事に驚き、辺りを見回す。その視線が徐に前……いつの間にか自分を見つめていた少女、ファリンの姿を映した。

 その頬が少し朱に染まっていている事から、先ほどタイミング悪く鉢合わせてしまった事に対する謝罪であると分かり、慌てて言葉を継ぐ。

「いや、ファリンちゃんのせいじゃないよ。あんな場所で無防備にいた俺が悪い……あ」

「っ!」

 その一言で、再び顔を真っ赤にする。どうにも気まずすぎる空気があたりに漂い、自分の考えなしの発言に、最近悪い癖にすらなっているため息を付きたい気持ちを抑え、何とか話題を逸らそうと考えを巡らせる。

 そんな風に気まずい沈黙が流れる中……ふと、思いついたように、自分の思考に一つの単語が浮かび上がった。

(ん、そう言えば……月村、ってどこかで聞いたような気が……)

 その瞬間だった。

 がちゃり、と大きな音をたて、中央……恐らく、ホールの入り口付近の扉が開いた。その事に傍らのファリンが慌てたようにそちらへと向かおうとする。

「あ、すいません士郎さん。ここで少々お待ちを……」

「ただいまー」

 だが、元々近かったためか、ファリンが向かう前に、どこかで聞いたような声と共に、一つの人間の気配が入り口横の曲がり角を曲がり、真っ直ぐにこちらへと向かってきた。

 そして……。

『え?』

 全く、何の供えも無く、彼と彼女は再び再会し、更なる状況の混迷を告げる事となる。正直、彼女の登場は、この時点で士郎の助けになったのかは判別しかねたが……長期的に見て、そのタイミングで彼女に会えた事は、士郎にとってプラスであった事は間違いない。

「士郎……さん?」

「えっと、すずかちゃん?」

「へ? え?」

 その後、すずかとファリン、そして、ノエル、忍も含めて状況説明に終始し、この日は終了する事となった。

 そして、この再会が、士郎と月村家の人々との距離を埋める役割を果たしていた事に気付くのは、もう少々後の事である。

 


(vol.2に続く)

 


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無題
黒猫はひょっとしてレンちゃん?
NONAME 2007/10/22(Mon)22:51:18 編集
無題
士郎が起きたときにいた子猫が、外見的特長からレンちゃんだと思うのは考えすぎ?
サハラ 2007/12/22(Sat)00:00:02 編集
無題
この黒猫はゲストキャラみたいなもので、月姫のレンちゃんとは無関係だったはずですよ。
黎明 2007/12/22(Sat)09:21:36 編集
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